こんにちは。村井製本所の村井広治です。
4月に新しい生活が始まった皆様も、ようやく慣れてきたところでしょうか。
私たち製本会社の繁忙期も、ようやく終わりが見えてきました。
(おかげさまで今年もとても忙しくさせて頂きました!)
今回は、会社の「今」のお話ではなく、かなり昔に遡って
私が製本業界で働くようになったきっかけなんかをお話をさせて頂こうと思います。
私は、神戸生まれの神戸育ちで、今年で50歳になります。
村井製本所は、祖父の村井 義久(よしひさ)が1964年に神戸で立ち上げた会社で
父や伯父(父の兄)も一緒に働いていました。
ですが、私自身は高校を卒業した後、すぐに製本職人になったわけではありません。
社長だった祖父が、
「他の会社での仕事を経験して欲しい」と言っていたからです。
当時の私は、他にやりたいこともなかったので
学校の就職先紹介で紹介してもらった製鉄所で働く事になったんです。
ところが、社会人として製鉄所での一歩を踏み出し一週間くらいした頃でしょうか、
私の中で「違う」と何か大きな違和感を感じてしまったんですよね…。
そんな様子を見ていた祖母に
「すぐにでもウチで働き。いずれ継ぐんやから。」と言われ、
祖父も
「それなら一緒に働いて欲しい。」と。
実は、学生の頃から夏休みなどには
よく村井製本所でアルバイトをさせてもらっていたんです。
ですので、家業に入る事に躊躇いは一切感じませんでした。
あの頃製鉄所で感じた違和感は
ずっと昔から見てきた家業とのギャップだったのかもしれません。
それからは、祖父や父、そして二代目を継いだ伯父から仕事を教わりながら
製本職人としての人生を歩むことになります。
当時、今のような機械も少なく、製本はまだまだ手間の掛かる手作業が多い時代でした。
職人技術を身近に見て学びながら、同時に仕事の厳しさも教わりました。
その後、私の弟も製本職人として一緒に働くようになり、
私自身、結婚もして、子供も生まれ、さらに懸命に働きました。
そうして40代半ばになったある日、伯父からのバトンを受け取り
三代目として経営者の立場になったのです。
責任の重さもあり、もちろん不安がないわけではありませんでしたが、
「村井製本所を残したい」
その気持ちだけは強かったです。
そして、私の妻も一緒に働いてくれるようになりました。
私は今も製本職人として現場に出ながら、皆様に求められる製本会社になるように努めています。
ご依頼いただいた製本に満足してもらえた時が一番嬉しく、とてもやり甲斐を感じます。
さらに
私の代になって、ホームページやブログを開設したり、自社ブランドを作ったりと
新たな挑戦を始めたことで、また新しいお客様と繋がる事ができています。
そうしてお仕事が少しづつ繋がっていく度に
これまでとはまた違った、新しいやり甲斐が感じられています。
今回、昔を振り返ってみましたが
こうして村井製本所が続いている事に
改めて皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。
本当にありがとうございます。これからもよろしくお願い致します!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。